今回、筆者が訪れたのは世界中の旅行者が集まる、あのカオサンロードだ。
その裏通りにある某ゲストハウスの1Fに併設されているマッサージ店の門を潜ってみた。
お手合わせをお願いしたのは、マッサージ師のプラーンさん44歳(男性)。5年前より当地でこのゲストハウスを営む傍らマッサージ師としての腕を振るっている。
一流マッサージ師が皆そうであるように、プラーンさんもマッサージ前の問診を重視している。患者の凝りのひどい部分や故障箇所などを丁寧に聞き、患者ごとにマッサージの方針を決める為だ。当事、左足の土踏まずと背中に強い凝りを感じていた筆者がそれを告げると、彼は確認するかのように幹部に手を当てながら、
「足の痛みは背中から来てるね。背中は、デスクワーク、それとお腹の調子悪いからだよ。」
と、その原因を推測した。と言うより、完璧に言い当てた。
早速、両足のつま先を握ってマッサージがスタートする。この時点で、いつもとは違っていた。普段慣れている女性マッサージ師と比べて一回り大きな彼の手がつま先を包みこんでくれるのだ。そして、その手は異様に暖かい。揉みと指圧を織り交ぜた手の内も、その掌の大きさからか、心地の良い安らぎを与えてくれる。
「故障箇所を直すには、体全体のバランスが問題なんだ。」
と優しく囁くプラーンさん、実は正式にタイマッサージを習ったことが一度も無い。
幼いころから仕事で疲れて帰ってきた両親を何とか癒そうとする一心で揉んでいる内に自然とタイマッサージを習得していたと言う。
彼のそのポカポカする手は、左足が終わるとそのまま左腹部へのマッサージに移る。すると、少し間を置いて凝っていた背中に暖かさを覚え、脈打つように血行が元気に流れ始めたのが分かる。
たまげてしまった。
こんなに早く、はっきりと自覚できる反応が現れた事は未だかつて無い。さらに背中。半うつ伏せ状態で左側を大きな手での指圧と揉みしだく。すると今度は凝っていた左足の土踏まずの部分に軽い痺れと暖かさを感じる。心地よい暖かさと痺れに似たこの感覚は、瞬く間に左半身のつま先から頭までに響きわたって行く。右側も同じ手順で終えた頃、全身が、この痺れる様な幸福感に包まれていた。体が暖かい。何か善良なエネルギーを注入された様な、この不思議な感覚は筆者の長いマッサージ生活でも初めての経験だ。マッサージ終了までのテクニックは至ってオーソドックスで特筆すべき技を見つけることが出来なかった。不思議な体験だった。その晩、依然、衰える事無く体全体に響き渡る心地よい痺れとと共にベッド入ると、プラーンさんの言葉が蘇って来た。
「体の何処かに故障のある人を見ると何とかしてあげたくなっちゃうんだな。」
彼のマッサージは技術を超越した次元にあるのかも知れない。
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